“1 box for 2 trees project”は、インドネシア生産のアスクルオリジナルコピー用紙を1箱ご購入の場合、お客様の購入代金の一部が2本以上の産業植林につながり、それらが持続可能な原材料になりえることを確認する取り組みです。具体的には、製紙メーカーが行う植林がどんな地域に、どのような計画で行われているかをアスクルがしっかりと確認します。これからも、お客様にお買い上げいただくアスクルオリジナルコピー用紙は、環境と経済の両方のバランスを考えながらご提供していきます。
インドネシアにおいてA4サイズのコピー用紙1箱(A4/5,000枚)※1 生産するのに、アカシアやユーカリなどの植林木が約1本必要です。“1 box for 2 trees project”では、お客様が購入されたインドネシア産コピー用紙で消費された原材料の倍以上の植林を、生産国であるインドネシアの適切な地域に行い、持続可能な原材料になりえることをアスクルが確認していきます。
植林が行われる対象エリアはアスクルから条件を設定し、実際の植林はインドネシアの現地製紙メーカーに責任をもって実施してもらいます。現在は植林対象地域の条件として、
1. 合法で適切な伐採権がある植林地であること
2. 天然林の伐採につながらない、収穫期が2回目以降の植林地であること
という2つの視点から候補地を選定しており、将来的には、地域住民の生活支援など、幅広い課題解決につながる、より具体的な条件設定への展開を考えています。 コピー用紙をお使いいただくたび、将来、原材料となる適切な植林がインドネシアで行われるこの活動。アスクルは、お客様と一緒に適切で持続可能な植林を進め、経済活動を通じたさまざまな課題解決の輪を広げていきます。
コピー用紙(A4)を5,000枚生産する
のに、アカシア(直径約30cm×高さ約
20m)の木が1本必要になります。植林するエリアの状況により若干異な
りますが、平均的にアカシアは約6年間
で成木となり収穫期をむかえます。“1 box for 2 trees project”で毎月植
林される土地の広さは約707ha(ヘク
タール)。ひと月に東京ドーム約150個
※2 の森林が生まれることになります。
※1 A4 5000枚を1箱として換算。お客様のご購入総量と当社在庫分を集計し、植林予定本数を計算。
※2 ひと月あたり約707ha(ヘクタール)、東京ドーム約4.7ha(ヘクタール)、1ha(ヘクタール)あたり1666本として計算。
■ 2010年
“1 box for 2 trees project”の対象商品は、インドネシア生産の「アスクル マルチペーパー スーパーエコノミー」と「アスクル マルチペーパー スーパーホワイト」、「アスクル エコノミーカラーペーパー」の3シリーズです。 これらの商品をお客様がお買い上げいただくことで、“1 box for 2 trees project”につながっていきます。
■ “1 box for 2 trees project”の目的
私たちは日本で一番コピー用紙を販売している企業の責任として、商品の品質だけでなく、サプライチェーンに責任を持つことが必要と考えています。プロジェクト理念である「経済活動を通じて、経済・社会・環境課題の解決に事業者として取り組む」ことを実現するために、コピー用紙の場合は原材料となる木材パルプ、パルプの原材料である木材、植林地まで遡り、それぞれの段階で様々なステークホルダーと積極手的にコミュニケーションを図っています。そして、直面した課題や疑問に対して、バイヤー企業としてどう解決していけるかに取り組んでいます。
■ “1 box for 2 trees project”の課題
私たちはこれまでも、コピー用紙の調達においてお客様に喜んでいただける“価格” を追求するとともに、安心してお使いいただける“品質”の確保に取り組んできました。“品質”には環境面での要件も含まれます。2004年からは “トレーサビリティ調査” や“紙製品の調達方針の制定”を行い、2010年からはコピー用紙という一般的な商品の背景をアスクルが責任をもって管理してお客様に安心をお届けする活動の一つとして“1 box for 2 trees project”をスタートさせました。
このプロジェクトは、サプライチエーン・マネジメントの新しい方法論になるのではないかと考えています。この取り組みを進め情報を収集・公開していくことで、サプライチェーンのそれぞれのプレイヤーが抱える課題を共有・理解し、協力しながら解決していくことがサプライチェーンの強化と良い商品の創出につながっていくと考えています。
■ 変化・進化する“1 box for 2 trees project”
2012年から“1 box for 2 trees project” の活動は変化を初めています。プロジェクトの開始時の目的は、私たちが販売しお客様に使っていただいているコピー用紙が、製造国インドネシアの森林破壊につながることがないように、原材料となるアカシアやユーカリの産業植林がきちんと行われているか、計画通りに生育しているかを現地とのコミュニケーションや訪問を通じて確認するという内容でした。この開始時の目的に従って現在も産業植林の確認作業は継続していますが、ここにきて環境面での課題のみならず、現地インドネシアにおいては我々外国人には馴染みが薄くなかなか理解や判断が難しい、社会面や経済面での課題に直面しています。その課題は、産業植林を展開する地域にも、環境植林を展開する地域にも存在するのです。
具体的には、産業用プランテーションでの活動においても森林修復再生の現場においても、先住民や現地コミュニティとの土地所有あるいは利用に関する問題が生じることがあり、それらに対する環境NGOからの指摘が挙げられます。これらの問題をインドネシアからコピー用紙を購入する企業として、事業を通じてどのように課題解決のお手伝いができるかを考え、いくつかの行動を開始しています。
このように現地訪問を重ねながら、現地製紙メーカーをはじめ様々な現実や現地の声、またステークホルダーの意見などを受け入れ、私たちは新たなチャレンジを始めています。