アスクルのインドネシア製コピー用紙の原材料となる森林は1 box for 2 treesという活動を通じて、
持続可能な原材料調達を企業の責任として目指しています。
一方で「今ある森を守り、壊れた森を直す」活動も必要と考え現地カウンターパートである製紙メーカーのサポートのもと
地方政府や現地環境NGO、地域コミュニティとともに立ち上げた共同プロジェクトが、20ha projectです。
この地域は、2009年にUNESCO MABプログラムに認定された地域で、
人間と保護地域がどのように共存共栄していけるかにチャレンジしています。

GSKBB-BR(Giam Siak Kecil Bukit Batu Biosphere Reseve )ギアム・シアック・ケチル・ブキット・バツの面積は、28万ヘクタール、緑の部分が保護区です。その中の20ヘクタールがアスクルのプロジェクトエリア。
ピンクの部分は、農地で人が住んでいます。油やしや米、ゴムなどを植えて暮らしています。
黄色の部分が、パルプ材のプランテーションです。アスクルが取引する製紙メーカーが持つ植林会社もここにあります。
緑の部分が保護区で、GSKBB-BRと呼ばれる地域、28万ヘクタールです。
この3層構造が、UNESCO MAB(Man And Biosphere)のポイントであり、黄色の部分である産業植林のプランテーションがきちんと維持管理されていれば、ピンクの部分から、人が入り込み、緑の部分を破壊することはないという理屈です。
しかしながら、ピンクの部分から、またその他から、人が入り込み、緑の部分を壊します。
壊すのは、生きるため。そこにある木を伐採し、販売。跡地には換金性の高い、油やし、ゴム、米などが植えられます。
この地域に、地域住民と共同で、インドネシア固有種である「ジュルトゥン」を植えることがアスクルの20ha projectの活動です。
ジュルトゥンは、植樹後7年で成木になり、樹脂を採取することができます。その樹脂は、チューインガムの原料となり、換金ができます。
地域住民は、外来種かつ違法な油やしやゴムを植えるのではなく、インドネシア固有種であるジュルトゥンを植えて、育て、それらを守ることで将来の収入が期待できます。
7年というのは少々長期的なスパンとなりますので、短期でも収入になるような活動を現在企画中です。
■ 2010年企画段階
プロジェクトサイトを選定するにあたり、候補地を現地カウンターパートと地方政府や現地NGOとともに訪問し、視察を行いました。結果としてこの地域は、地域住民の理解を得ること(木を切らない)が難しいと判断し、対象地としては見送ることになりました。
■ 2014年
2014年は、インドネシア リアウ州は、エルニーニョ現象の影響もあり山火事が深刻な状況でした。
その結果、アスクルの20ha projectの一部サイトが消失してしまいました。これも自然現象を含むプロジェクトのリスクの一部です。今回の出来事は、今後プロジェクトを続けていく上での大切な教訓です。